精神の安定


相場は不安と期待が突出しやすいものであり、
状況が良いときは必要以上に気持ちが高揚し、
状況が悪いときは必要以上に落胆したり不安になる。人間はそういう生き物でもある。

投資家は相場の根底にある不安と期待によって、儲けようと無理をしてしまい、悪循環に陥ることが圧倒的に多い。人気に振り回された売買は最初から負け戦である。
建玉をもつことで自分の金が値動きによって増減する実感は、想像以上に大きな刺激となり心理を圧迫するからだ。

買ったが上がらない。持っているうちに下がってきた。資金の余裕はない。
そういう状況になると、もはや事態を冷静に判断することはできない。

「知らないと苦しい」と感じ、普段は気にしないような、些細な情報に敏感になり、目先の将来を知ろうとしてインターネットでいろいろな情報を収集したりする。
自分自身で自分の心を惑わせる余計な情報を作り出したあげく、
ホッとしたり不安になったりを繰り返し、
売買を始めるときに考えていた策戦などは、すっかり忘れてしまう最悪の状態になる。
余分な感情の起伏を作らないようにコントロールするのも相場技術の一つである。

心理的に苦しくなる事態を防ぐには、時期を待ち、資金に余裕を持った分割売買をし、日柄によって売買に区切りをつけることで、窮地に陥らないように進んでいくしかない。
時間の経過・日柄という大切な要素を重視して安定的な売買を心がけるのだ。
儲かっても休み、損しても休みとにかく感情の狂いを修正し、心を落ち着けて、次のチャンスに備えるのである。

そうして精神状態と利益が安定すれば、長期のパフォーマンスは飛躍的に向上する。


○精神の安定と努力(P.297株のプロ)

3手 5手 7手のリズムは日数としては、その間に日曜や祝日が入るため
上旬 中旬 下旬 と 10日周期の動きとなる。

また、1ヶ月を前半と後半に分けるような動きになることがある。

それに対する実行者側についても好不調のリズムがある。

我々は精神の安定と努力によって、失敗したときの谷間をより浅くして
立ち直りを早くするとともに

好調のときの山をより高くするようにし、
少しでも長く持続させるように心がけるべきなのだ。

相場をしているかぎり失敗を避けることはできない。

その失敗を最小限に食い止めるための一つは
「迷ったときでもいったん決めた予定は変更しない」ことである。

悪手を打った場合は短くても二ヶ月は苦しい思いをしないと立ち直ることができない。
本間宗久の「不利運のとき4、50日休むべし」と立花さんの経験は一致する)

・人は精神的起伏のリズムがあり、一度悪手を打つと精神的リズムに偏重をきたし、
精神的動揺によって、さらに悪手を打つ。

・元気で冷静な人と精神的に消耗し動揺している人が戦えば、元気な人が勝つに決まっている。