サヤの変動


○サヤの変動
 個々の銘柄の値動きには「うねり・リズム」があり、異銘柄サヤ取りで2銘柄を組合せることにより「うねり・リズム」は増幅*される。それがサヤの変動である。

増幅された「うねり・リズム=サヤの変動」を片張りのうねり取りよりも安全に取ろうとするのがサヤ取りである。

サヤ取りの銘柄については業績が安定していて、大きなうねりを見せるものがよい。

個人で行なうサヤ取りは技法を重視し、10枚から50枚を分割で仕掛けて安全第一に行なう。(ツナギ売買の実践p277)

サヤの極大極小のときに すぐにドテンできるものではなく、
仕掛けも手仕舞いも分割するから、サヤの変動幅がまるまる利益になるものではない。(ツナギ売買の実践p276)

・株のサヤ取りはリズム取りで利益を得ることを基本とする。(株式サヤ取り講座p37p88)

*株サヤ取りの実践者の感覚から言えば、収斂性がある銘柄を選択した場合、増幅されるのはリズムだけであって、うねりの幅はむしろ減衰する。
 だから、収斂性がある2銘柄を組合せることにより、半月程度のなだらかな周期・リズムが形成されるため利益が得やすくなり、逆に単独銘柄の大きなうねりや、鋭い騰落は消滅するため損をするリスクが減るのである。

☆銘柄の選択条件
 収斂性が期待できる
 同じような動きだがサヤの開閉がある
 業績が安定していて会社内容に変化がない 銘柄同士を選択する

○株のサヤ取りのプロ Yさんの話
 サヤ取り屋の売買は現物の長期保有とちがって目先的で、15日から30日のサヤの周期を狙う。

往復の手数料は2銘柄分かかり手取りは少なくなるから売買数量は多い。サヤ取りのプロの売買数量は1万から5万株程度である。
ひとつの組み合わせの売買は2年から5年は続ける。

片張りの「うねり取り」はムラがありすぎて、うまくいかない。
「うねり取り」の相場師はムラのある片張りの「うねり取り」を逆張りと細かい分割で乗り切るが、普通の人が安定した利益をあげることは困難だ。
そこでサヤ取りに転向する人がでてくる。

サヤ取りというのは、大きな利益より安全性を求めてやるものだ。
だから手仕舞いのときは、片張りのように「もうちょっと」なとどと欲張らず手仕舞いできる。
そして、やっているうち要領を覚え、実行のコツをつかみ、だんだん上手になっていく。

サヤ取りのディーリングは二倍以上の利益になる。資金を二倍使っても資金効率はいい。(ツナギ売買の実践p274)

*サヤ取り
 同種商品間、あるいは収斂性のある異種商品の異常な価格差が
長期でない期間内に正常な価格差に戻る必然性を利用した売買で、
リスクがゼロに近く、ホジションは必ずスクエアである売買をサヤ取りと呼ぶのである。(株式サヤ取り教室p13)

○株サヤ取りの利点

①リスクがない
リスクがないというのは仕事として当然の条件である。サヤ取りのリスクはゼロに近く、銀行業務のようなものである。

②利益は少ないが確実
投機的売買ではないから事業として成り立つ

心理的負担が少ない
淡々と利益を得ていく売買

④過大な周辺知識と努力を必要としない
サヤ取りにおいて必要なのは技術的要素のみである。

⑤理論的である
冷静に人気の逆を行って「実利」を取る理論的で知的な仕事である。(株式サヤ取り教室p20)

☆上げ相場、下げ相場のいずれであってもサヤの変動があるので収益機会がある。
そのため、休む(時期を待つ)必要がない。

*事業=一定の目的で同種の行為を継続的に繰り返して行う経済活動
*仕事=それによって生計をたててゆくための職

☆株の異銘柄サヤ取りと他の投資法との比較
対ローリング
 利益は少ないが日銭が入るので、日々千人力を得て暮らしていける。
 リスク・精神的負担が少ないから建玉を大きくすることができる。
 そのため、ローリングと同等の利益をあげることも不可能ではない。
 ローリングは大きく引かされても強い決意をもって先限を売り続けるが、同様の覚悟でサヤの増減に無限難平で向って乗換を続けていけば、いつかはサヤが反転する時が来るのでリスクはない。

対商品相場サヤ取り
 限月がないので、永久に持続することが可能
 限月の選択が不要であり、限月による当り外れがない
 当限で玉締めに遭って、想定外の損失を招く恐れがない

対FAI (片張り)
 ホジションはスクエアであるから下げ相場でも資金を減らすことがない 
 FAIは下げ相場で資金を守ることができない。
 相場で生計を立てるのに最重要なことは資金を守ることである。



  相場戦略研究所 http://www.geocities.co.jp/WallStreet/1289/