二銘柄の並行売買


台風で釣りにも行けず、ちょうどよい機会だから、最近の相場に対する取組みを書いてみた。取り留めのない話だが、失敗した時に自分が反省するための物でもある。

相場においては自分なりの利益の出し方が大切なのである。
 松村辰次郎は
自分の性質、長所短所に即した商内の仕方を工夫する

 立花義正さんは
自分に合った型を基準に売買する
分割売買をする
ゼロをつくる (区切りをつける)

 林輝太郎先生は
銘柄を絞る
分割売買をする
区切りをつける
と言っていた。 さらに 『ひとつの銘柄を続けて売買していけば、その銘柄に慣れて慣れて慣れきっていく。だからこそ効率よく利益をあげ続けていけるのである。
 商品相場なら小豆相場専門というように、自分の専門をもって、そればかり何年も追って生活費を稼ぐのがプロの売買法である。
江戸時代の米相場、明治からの戦前までの新東や戦後の特定銘柄がそうしたプロの売買、生活費を稼ぐ銘柄として定着してきた。
慣れて慣れて慣れきって というのは、売買が上手になっていくことである。つまり、
 値動きのうねりに乗ってリズムを感じ、
 分割売買で平均値を有利にし、
 利益を確保して区切りをつける、売買技法の上達を意味している。
ファンダメンタルズは無視しないが こだわらず、テクニカルズでも理論より値動きの現実面を重視する。』(研究部会報2005.5 p77)

 専門銘柄の売買に慣れ、自分の建玉法が決まってくると利益の出し方も決まってくる。
そうなった後は、自分の掴んだ建玉法を辛抱強く続ける。
さらに上手になろうとか他の流儀を取り入れて利益率を上げようとしない。
 そういうことをすると、苦労して身につけた自分の型、水準、能力を破壊する。(うねり取り入門p283)

片張りにおいて一般投資家は利食いが早すぎると「しまった」と言うがプロはそんなことはいわない。
早く 区切りをつける のが失敗の少ない利口なやり方で長続きするし、
玉を維持できて、長続きすれば利益が積み重なって大きくなれるものである。(研究部会報99/1)
と書いている。

また、林輝太郎先生の本には 二銘柄の並行売買、それに類する売買がよく出てくる。
 株の二銘柄を中源線で売買し一年半後には勤めをやめて売買益だけで生活できるようになった。中源線建玉法p9
たぶん、株式上達セミナーに出てくる、松下と本田を手がけていたBさんのことだと思う。
 二銘柄の並行売買と、そのうちの一銘柄の選択売買 
中源線建玉法 p32
だから、二銘柄を専門に売買するやり方も有効なのであろう。

サヤ取りは必然的に二銘柄の並行売買になるし、見方を変えると
買い銘柄に対する異銘柄によるツナギ売買である。
二銘柄の並行売買は利益を上げやすい方法なのである。

僕は長くサヤ取りをやったから二銘柄の並行売買が心理的に落ち着くし、利益が出しやすい。
サヤ取り時代は二銘柄を軸にしてそれぞれに関連するツナギやサヤ取りを仕掛けて利益を出していたのだ。どうやら二銘柄の並行売買が自分の性格にあっているみたいだ。同時手仕舞いで区切りが良いから利益が出しやすいこともある。

2000年ごろから、FAI的低位株投資に転向し月足グラフを整備して低位株投資をメインに行ってきた。ところが最近、売買単位100株化に伴う株式併合という悪手を多くの会社が打つようになり、一瞬で低位株から値嵩株になって月足グラフによる長期波動観測が不可能になるから、1000株単位の銘柄は怖くて手が出せない。(売買単位千株の低位株はまだ持っているが年明けに高くなる可能性も残っているので、それを待って処分する予定)

 株式併合なんかやらずに日軽金みたいに売買単位だけ100株にすりゃーいいんだ。株式併合なんていうのは左前になって減資する時に最後の手段として仕方なく行うものである。ばかものども。
とにかく、東証が売買単位100株化の目標としている2018年を過ぎるまでは新規に買えない。

3月の戻りで、そうした低位株をかなり処分して、回収した資金でコストダウン用に暴落したバリュー株を二銘柄に絞って買った。片方は1000株単位の銘柄であるが、値動きのよさに惹かれて買った。

僕の性格は立花さんと違い一銘柄に絞ると失敗するようで、二股が合っている。
バカラさんのマネをしてコストダウンを何度もやったが、上げ始めてすぐに株を取られてしまうことが多かった。

で、今回は二銘柄を仕込んでいる。
一つ失敗しても片方が残る計算である。ある種のヘッジといえる。
それぞれ、50枚と30枚、現株の買付けが終わり、コストダウンに入っている。
どちらも似た値動きをする銘柄で同時に売買しても違和感はない。
225との連動性があり、日々の値動きが大きい。
今の値動きは保合だから、帖入値を基準に上を売って下を買う場勘定的売買を行い、利益の玉が溜まったら、まとめて寄付で売り買い同数のクロス手仕舞い利食いし、コストダウンしているのである。

こうして、運び相場が始まるのを待ち、高値でのツナキ売りに移行したいのだが、その時に早く売りすぎて、いつも失敗している。今度もダメかもしれない。
ただ、失敗しても損をしないから、まぁいいかな と思っている。

もともと、僕はサヤ取り屋で、サヤ取りで大きくなった人間だから、異銘柄を使ったサヤ取りによるコストダウンもチャンスがあったら、やろうと思っている。
新日鉄みたいな大型株を売り銘柄にしたツナギ売買的サヤ取りである。
 (信用売り) 新日鉄 - コストダウン銘柄 (信用買い)
小枚数で仕掛けてちびちび儲けてコストダウンしていくのだ。これも失敗しても大きな損はしない。

サヤ取りで失敗するときは、大抵 利食いドデンした時で、大やられ になって、それまでの利益を吹っ飛ばすものである。
売り専門の大型株を決めてサヤ取りを行えば、こうした利食いドデンの失敗はない。

二銘柄の並行売買で、コストダウンを主目的とする場勘定的ツナギ売買と異銘柄によるサヤ取り的ツナギ売買で、相場の海を泳いで行こうとを思っているのである。
もし、コスト 0 にすることができたら必ず報告する。


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