二流の投資家のすすめ


相場の予想をするのは負ける投資家 (2016年01月22日の トトメス5世より) 

イチローが1人しか居ないように、バフェットに成れるのもバフェットだけ
 年初から相場が大きく動き、残念ながら大きく負けてしまった人の方が多いようです。
負けるタイプの人は一流の投資家を目指す努力家が多いが、あえて二流を目指すべきかも知れない。

☆ 宇宙と戦う投資家
 株価や相場の乱高下が続いていますが、投資で損をした人の方が多いようです。
どんな金融投資でも、勝つ人は数%にすぎず、90%以上の人が負けていると言われています。
理由はまず業者が手数料を差し引くからで、業者も社員に給料を払わねば成らないので、致し方ありません。

次に一部の「勝ちすぎる人」の存在が、多くの人の負ける理由を作っています。
ネットや投資雑誌で有名な カリスマ投資家というのが居ますが、百害あって一利なしの害虫のような存在です。
例えばカリスマ君が1億円儲けたら、どう考えたって100人の人が100万円損をしているからです。
そのカリスマ君たちもプロの投資家、つまり外資系投資会社とかヘッジファンドの前では子犬のような存在です。

ゴールドマンサックス(以下GS)という世界最大の投資会社は、世界中で数千兆円に相当する取引をしている、とされています。
GSがそれだけの現金を持っているわけではなく、高いレバレッジを掛けたり、オプション取引を多用するのでこうなります。
一回に数兆円というようなポジションをポンと建てて、それによって価格を吊り上げて、次の瞬間には決済します。
その間僅か10分の1秒に満たない場合もあるそうで、他の投資家が釣られて購入した瞬間に儲けています。
聞くところによると、GSでは客から電話が掛かってきても、保有資産が1千億円以下だと担当者が付かないそうです。
インターネットの金融市場の競争は、こんな連中を相手に戦っているので、まるで宇宙と戦っているかのようです。

☆ 投資家のレベル
 一般の個人投資家にはいくつかの段階があるとされていて、一番上はカリスマ投資家や凄腕ディーラーになります。
彼らは市場を分析して流れを読み、次に上がるのか下がるのかを予測して投資し、その通りになります。
多くの人はこういう投資家の伝記などを読んで自分も始めるが、決して上手く行く事はありません。
長島やイチローに憧れて野球を始めても、最初から『モノが違う』からです。
一流の投資家の真似をして市場の分析をして予想をして投資した結果、まずボロボロになるまで負けるでしょう。
実際の話無一文になるのはマシな方で、多額の借金を背負ってしまう人が多いようです。

「自分は勝てる筈」なのに現実には負けている状況では、多くの人は「これからは勝てる」と考えます。
今までは未熟だったり運が悪かったが、これからは上手く行く筈なので、借金をして追加投資します。
特に真面目な人や、根気強く努力家の人、何かに打ち込む人などがこうなりやすいです。
こうした人たちは残念ながら業界人の「カモ」で、専門家と称する人達が、あらゆる嘘を付いてお金を使わせようとします。
書店やアマゾンに並んでいる「こうすれば勝てる」という本を書いているアドバイザーは、結局読者の金を吐き出させる職業です。
そこに気づくべきなのですが、
 カモさん達は詐欺師を「先生」と尊敬し、 教材を買ったりセミナーを受講したりします。

☆二流の投資家になるべき
 ここまでに登場したのは「一流」「カモ」「詐欺師」の3種類でしたが、二流の投資家が存在しています。

二流は一流とは違って市場を分析したり流れを読む事ができず、明日上か下かなど分かりません。
だが自分が投資する対象の、なんらかの規則性を利用して、勝ったり負けたりして生涯では少しの利益を手にしたりします。
どんな投資対象でも上がったらいつか下がるし、下がったらいつかは上がるので、難しいことではありません。
1ドルが76円まで下がったら、そのうち上がるのは二流でも想像はできます。
何月に何の銘柄を買えば、高確率で何月には利益が出るという人も居ます。
彼らは難しくはないが「考えてみれば当たり前」というような法則性を利用して、損をしない投資をしています。
実態としては悪くない企業なのに、スキャンダルで大きく値を下げた場合とか、常識的にいつかは値上がりするものを狙います。
二流の人は一流になるのを既に諦めているので、有名投資家の真似をしたりはしません。
要は投資の世界での自然の法則のような事を、たくさん知っていれば、吹雪の日に海水浴に出るようなマネはしないという事です。
カモになってしまうタイプの人は必ず自信過剰で、有名投資家のようにやれると思い込みますが、
 自分自身が一番信用できません。

明日は海水浴日和だと思って海に行ったら、その日は真冬で猛吹雪だったというのが、こうした人たちの末路です。
一流になる前にまず、二流の投資家を目指すほうが、ずっと良い投資ができるでしょう。


*このパラグラフでの「二流の投資家」は、林輝太郎先生のいう「小口の専門家」 「プロ相場師」に相当するのでしょう。いい文章で この人、かなりの腕前の方ではないかと思います。 管理人




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