単純化と反復


両外しサヤ取りは比較的安全といわれていますが、安定した利益を上げるには熟練を要します。
そのためには「単純化と反復」。林輝太郎先生が主張するとおりです。

純化とは、サヤ取りの組合せを一つに絞ること。
反復は、選択した銘柄のサヤ取りを完全に体得するために、徹底して練習売買を行うこと。
サヤ取りは正しいやり方で行えば、練習でも利益がでるものです。
つまり、利益が出る”サヤ取りの練習”は正しいやり方だから、それを見つけたら辛抱強く続ける。

そして、事にのぞんでひとりでに体が動く反射神経ができ、意識せずに注文を出せる境地になるまで繰り返します。
千日の間、怠けず修業したら極意は向こうからやってきます。
そうなって、確実な利益を積み重ねることができるようになるのです。
玉を大きくすることを考えるのは、その段階になってからでしょう。

両外しサヤ取りで成功するには、いかに収斂性がある銘柄同士を選択するかがキーポイントになります。サヤの動きはストラドルではなくスプレッド的なものがいい。

ホジションは必ずスクエアにする、加えて収斂性がある銘柄同士を選択することでリスクがゼロに近くなり、心理的圧力が緩和され、多くの玉を重ねることができるのです。

また、根の玉と称して安い現物を持ってサヤ取りをやる人がいますが、片方の玉がツナギになるサヤ取りに根の玉的現物株は不要です。
特に手仕舞い時、根の玉を大事にして両外しを躊躇することになってしまいます。

安い現物を持ちたいのなら、むしろ異銘柄をツナギ売りに使ったコストダウンとして取り組んだ方がいいでしょう。

現物株は持たないほうが、どのような値動きに対しても、自由に、とらわれない境地で建玉手仕舞いができます。

最後に、“サヤ取りの買い建ては現物“にこだわる必要はありません。
私の環境では信用の方が現物より手数料が安く(一律300円)、金利逆日歩と相殺できることが多いので、買い玉も信用で建てています。

☆サヤ取り成功のコツ(両外しサヤ取り教程より)
 上達の最短距離は「単純化と繰り返し」である。
利益になると、「もう少し」と思うものだが早目早目の利食いがいい。
(商品先物市場61/7)

マグレではなく、利益を上げ続けていくためには、同じ方法「単純化と反復」による積み重ねが必要である。111

練習売買で、利益を得ることができて成功しているのに、もう少し待てばもっと取れたとか、利益が少ないというのは、あまりに欲が深すぎる。262

 サヤ取りは確実な利益を積み重ねて大きくなるものだから、続けていれば自然に大きくなれる。1~2年の基礎固めの単純な売買をやっていても利益が出て資金は増加していく。(研究部会報2K.9 p85)

サヤ取りは簡単だがマラソンみたいなもので長続きしなければならない。
自分で考えながら走っていく。

サヤ取り上達のコツは単純化と反復であり、単純なことは独力でできるはずであり、人に聞く必要はない。492

頑張るのはよいが、「真剣に落ち着いて」やるべきで、気ちがい沙汰になってはいけない。497

サヤ取りは「確実な利益を積み重ねるもの」であり、思惑は排除した方が良い。p59

サヤ取りは自分の仕事だから次第に上手になろう。そして上手になってきた。と自分にいい聞かせること。316

☆ソロスでも基礎固め10年
 ジョージ・ソロスは1930年ハンガリーのブタペストで生まれた。
ウォール街に移ったのは1956年、グリニッチ・ビレッジの小さなアパートに住んで基礎のサヤ取りばかりやっていた。
 ロスチャイルド系のキットカット・アンド・エイトケンの支援でクォンタム・ファンドを設立するまでの約10年間は、自己資金で単純なサヤ取りの繰り返しで基礎固めをしていたのである。(研究部会報2K.7 p59)


現在、株の両外しサヤ取りと現物株の配当金とコストダウンで現金収入を狙っています。
いずれも比較的かたいと思われる収益です。
とはいっても、株の世界に完全に確実な儲けは存在しません。
サヤ取りも相場ですから損することも多々ありますし、配当利回りがよいと思って買った現物株も作今のような世界経済崩壊時においては大幅減配、無配転落する銘柄も続出します。

しかし、我々投資家はできるだけ、安全・確実に利益を積み重ねる努力をするしかありません。

私の人生も商品相場でいえば後場第ニ節。大引けまで時間がありませんので、大きな失敗をしたら、もう取り返せないでしょう。

先日、手持ち株の月足グラフに用紙を継ぎ足したのですが、
「新しい用紙が月足で埋まるのには後18年。18年後には自分は死んでいるだろうな」そう思うと寂しくなりますが、しかたありません。



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