自分の山


立花さん曰く
「いまから他の山に登ろうとは思わない。
 自分の山だって なかなか良いではないか」

ときたま、自分の専門のやり方、自分のシステムを再確認しないと、
自分を見失って、つまらない専門外の取引に手を広げて失敗する。

自分の山以外に登ると遭難するのである。
歳を取って反射神経が鈍くなったせいか遭難する確度は次第に高くなっているようだ。

「どんなやり方でも利益率なんてみんな同じだ。利益率は上手下手によって上下する」と林輝太郎先生は仰っている。
自分のやり方を練り上げて利益率を高める努力をすることが本筋なのである。

さて、自分の専門のやり方はツナギ売買である。基本は両建て。

株サヤ取りがメインで、信用取引を利用してA株-B株を最大60枚程度。
ホジションは必ずスクエアである。

その信用取引の証拠金の半分で現物株を所有し、配当収入とコストダウンのツナギ売りによる現金収入を得る。

このやり方は1998年ごろから変わっていない。
ただし、2004年から2008年までは欲に目が眩んでFAIに転向し、サヤ取りは中断していた。低位株とはいえ片張りで専門外。途中まではうまくいったが、ホリエモン暴落で潮目が変わったのが読めず、失敗に終った。

この失敗で、相場というものは本当はあまり儲けなくてもよいのだ。
生活費を稼いで、資金が減らなければいいのだと悟った。
FAI成功者のSさんのように10億円も取らなくてもいい。
凡人が自分の専門以外のものに手を出して、大きく取ろうとすればかえって損をする。

片張りをするにしても、昔の特定銘柄みたいな最大公約数的な銘柄を選択し、比較的大人しい値動きをゆったりした気持ちで慎重に取っていく。
そうした姿勢が大切なのではないか。
月足グラフを千枚描いて、データスリップを作成してゴミ銘柄の中から倍加する低位株を探す。所謂「あて物」である。
これは相場の正しい道だろうか。違うだろう。

上げ相場のときは何を買っても騰がる。
例えば、銘柄選定を日経225に限定し、その中から300円以下の低位株を抽出する。または、昔の特定銘柄12に限定し、その内300円以下の低位株を抽出する。
それらの月足グラフを描いて、買う銘柄を決定する。
そんなやり方でも、パフオーマンスはほとんど変わらない。むしろ外れが無いから、買い方によってはFAI買銘柄より優れていたかもしれない。
いずれにしても専門外のFAI等、片張りの投機売買は二度とやらない。

両建ての安全を重視した自分の山にだけ登るのだ。
小さく低い山ではあるが、四季折々の花が咲き、頂からは美しい景色が見られるのだ。


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