時期を待て


 「時期を待て」という、立川さんの教えを初めて読んだのは1993年の6月だから、16年前になる。(立川さんは小豆相場の成功者)
当時、同友館の「投資の科学」という月刊誌を購読していて、その中の林輝太郎先生の連載「商品相場のやりかた」の第8回 成功の要件に書かれていた。その教えとは

 相場は「売り、買い、休み」といわれるが、その「休み」とは休息のことではない。
「休み」は「時期を待つ」ことであり、投資活動の中で最も積極的な行動の一つなのだ。「時期を待つ」とは即ち、利益を上げるために辛抱強くチャンスを待つことなのである。

これを読んだときは「これこそ相場の必勝法だ」と感動して、「時期を待て。待てる者が残るのだ。」と書いて机の前に貼ってみたものである。

でも、待つのは難しい。特にFAIのように多銘柄を手掛けると難易度は高くなる。
銘柄を少数に限定していたときは多少はできていた。

「相場の必勝法は、銘柄を絞って売買の内容を高めることである。」と吉田英夫さんはいっているが、銘柄を絞ることが相場に上達するための出発点だから、時期を待てる能力を身につけるには銘柄を絞る必要がある。

相場の技術は難平にしても、乗せにしても、「待つこと」が基本なのである。
もちろん、長い、短いはあるが、売買がうまい人は待てる人であることは間違いない。
安くなるまで待って買い、高くなるのを待って売れる人が儲かる。

何を基準に待つかは人それぞれだが、日柄であったり、酒田新値であったり、値幅であったりする。
小豆相場の場合、「秋は買い、春は売り」が定石だったが、近年は株も同様の季節周期が見受けられる。

 林輝太郎先生の『売りのテクニック』によれば、プロは「年末年始効果」を利用して12月、1月から買い、「5月連休前後効果」を利用して連休前後にツナギを行い、その後の下げ相場を取ることにより大きな利益を上げるという。
だとすれば、プロは期節周期という年に一度のチャンスを待っているのだろう。



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