迷走する証券税制

株の今回の下げは、なかなか底入れ感がでませんね。
北朝鮮系の闇資金が金融制裁を恐れて逃げ出しているとか、歴史的な裁定の買い残の影響とか、さまざまな理由付けが行なわれていますが、その中の一つに『証券税制の軽減税率廃止懸念による下げ』があります。

11/15の新聞報道によれば、政府税調は証券税制の軽減税率廃止を決め、その理由として
・金融一体課税を進めるには預金や公社債の利子、一時払い養老保険の差益など、他の金融商品との税率を20%で均衡させる必要がある
・証券税制の軽減税率は時限措置なので、市場は廃止を織り込んでいるはずで、影響は軽微である
という見解を示していました。

しかし、リスクゼロの確定利付き金融商品である預金や公社債の利子、一時払い養老保険と、超高リスクの株取引を同列に扱う、政府税調・財務省の無知・無理解には呆れると同時に、憐れみさえ感じます。
こいつらは資本主義を理解していない。

資本主義においては、リスクを負わざるもの儲けるべからす。利潤は危険負担の対価であるという発想が基本です。
投資によるリスクを負うことは、それに見合った利潤があるから可能になるのです。
資本主義に不可欠な個人投資家の投資・投機精神を証券税制の軽減税率で称揚しなければ、日本資本主義に明日はありません。

11/21、政府税制調査会本間正明は下げ足を早める東京株式市場に動揺し、
証券税制の優遇措置の期限切れ後の対応について「激変緩和策」として新たな軽減税率が必要との考えを示したようですが、不様な場当たり対応であるといえましょう。