うねり取りは難しい

基礎練習のやり方

林輝太郎先生の「うねり取り入門」のはしがきに
うねり取りは、利益を得やすい、やさしいやりかたのひとつなのです。
とあるが、なかなかどうして、この単純な うねり取りが難しいのだ。

うねり取りで利益を上げる第一関門として基礎練習があるが、
だいたい、その基礎練習で基礎を身につけるのが難しいのである。

林輝太郎先生の本によく出てくる基礎練習の例えとして
ピアノでいえば何万時間の練習、ゴルフで言えば何万発の玉を打つように、
相場の場合も-1、-1の2分割買い、2-の一括手仕舞いの基礎練習を繰り返すしかないというのが林輝太郎先生の教えだが、ちょっと待て。

銘柄固定のうねり取りで-1、-1の2分割買いを年間何回できるというのだ。
「3月またがり60日」なら、せいぜい年6回がいいとこだろう。
それでは、基礎練習を百回ぐらい徹底的に繰り返し、基礎ができて儲かるようになる前に相場人生が終ってしまうではないか。
当てものをやって一生儲けることはできない投資家と結果的に同じになってしまう。

うねり取りをやろうとする人の多くは、それまでに当て物で損をして
「はやく損を取り返したい」という強い焦燥感を持っているから、折線グラフを使った、うねり取りで-1-1、2-の一括手仕舞いの基礎練習を長年月をかけてゆっくり練習するという悠長なことはやっていられない。
気持ちにゆとりがないからだ。

だから、多くの人が株式成功実践論のAさんのように我慢しきれなくなって暴発・逆噴射し、仕手株、材料株に手を出して破滅してしまう。

だから、銘柄固定売買においてはうねり取りではなく、立花さんが小豆でやったように酒田新値をたよりにリズムだけを追うリズム取りで練習すべきである。
立花さんは「一番、簡単」と書いている。

酒田新値によるリズム取りなら玉は動くし、結構忙しく緊張感もある。
リズムだけを追って、リズム取りの利益を積み重ねていく。
少しでも利益が出れば、千人力の勇気が出て練習売買を続けることができる。
うねりはリズム取りの利益の集合体として結果的に取るのだ。
小さな山のリズム取りができて、3ヶ月の大きな山のうねりが取れるようになるのである。

当然のことながら、リズム取りは折線グラフよりも酒田足の陰陽新値による方がはるかにやりやすい。
酒田新値の出現率をたよりにするリズム取りは折線グラフではできないし、普通の人は折線グラフで流れなんかわからないのだ。

もう一つ、うねり取りで、よくある失敗のパターンは3ヶ月に満たないで、上げ波動が終了してしまい、利食いしそこなうことである。

2ヶ月半程度で一山つけてしまうケースはよくある。
天井がわかるのは相当日柄を食ってから、値幅的には10%逆行をみせた後だから、小さな山だと利益がはげてしまって手仕舞いの決断ができず、ついつい居過してしまう。

大概の人は、こうした失敗が2、3回続くと、「うねり取りは難しい」と断念してしまうケースが多いようだ。

こうしたケースを避けるには35日くらいを基準にして、毎週枚数を決めるなどして、
60日がくる前に、ある程度の枚数を、高値を狙って売っておく以外にない。

林輝太郎先生 曰く、
「うねり取りにおいてはうねり幅の4分の1取れたら大成功であり、
これが相場の現実なのである。」