ヘッジファンドの錬金術


昨年の夏ごろ、ヤフオクで500円で買った『ヘッジファンド錬金術』(Jアルタッチャー著 パン・ローリング 定価2940円)をようやく読み終えた。
時間がかかったのは面白くなかったからである。
この本に3千円払うと、ちょっと辛いかな と思って読みかけで放置していたのを片付けようと思い、今になって残りを読み直したのだ。

すると、終わり間際の10ページぐらいで、ようやく興味深い記述を発見した。
ようするに「ヘッジファンドは楽じゃない」という本音が書かれていたのである。

ある成功しているヘッジファンドの収支計算が下記のように載っていたが最終的に赤字なのである。もちろん使い方も派手ではある。
あれば、あるだけ使うのが米国流のようである。

           米ドル        日本円

預かり資産       60,000,000   6,000,000,000
管理費2%      1,200,000    120,000,000
成功報酬20%       1,200,000   120,000,000
年間収入          2,400,000   240,000,000

 費用
資金調達コスト        500,000   50,000,000
人件費(3名)          500,000     50,000,000
事務所            100,000       10,000,000
秘書+経費            100,000     10,000,000
 計                1,200,000    120,000,000

経常利益            1,200,000  120,000,000
共同経営者の取り分       600,000     60,000,000

自分の手取り       600,000   60,000,000(6千万円)

生活費
税金           250,000    25,000,000
住宅ローン       120,000    12,000,000
教育費          50,000    5,000,000
貸し別荘代        65,000    6,500,000
子守、女中費用       60,000    6,000,000
生活費          52,000    5,200,000
旅行代          20,000    2,000,000
 計           617,000   61,700,000

米国においても、国家は税金をがっぽり取るし、米国の女には桁違いの金が掛かるのがよく判る。

傑作なのは、『ヘッジファンドの失敗 その6』として「ヘッジファンドを始めてしまったこと」をあげていることである。
この本が出版されたのは2007年1月。サブプライム暴落前の平和な時期である。
恐らく、先のサブプライム暴落の激動期のヘッジファンド業界は血風惨雨。
涙なしでは語れない状況だったのではないかと思う。



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