老相場師の平和な隠居生活
彼が経営する投資会社は約70社の株主で、盆暮れには各社からの株主優待品が毎日のように届いていた。
もちろん、生甲斐である相場は張っていたが、高齢のため資金は限定していた。
安全性の高い、両建て・サヤ取り商いが中心で、いわば、『株式市場から年金を受取っている』ような張り方であり、ほんの小遣い稼ぎに過ぎなかった。
朝4時に起きると、朝の散歩に近くの小山に登る。たまに狸に会ったりする。
散歩から帰って朝風呂に入った後、インターネットでNYダウを確認して場帖をつける。
朝の寄付に注文を出した後は、終日、事務所のJBL大型スピーカーでジャズを聴いていて、その合間にインターネットで2、3回 相場を覗き見て、朝の指値注文の出来、不出来に一喜一憂する。
2時40分頃に、その日の足が陰線か陽線かを見極めて、大引成行で注文を出す。
大引後は場帖をつけ、グラフを描き、資料を作成して一日の相場が終る。
新聞、テレビは一切見ず、毎日の晩酌が楽しみで、夜は9時には寝てしまう。
ふところ手をして遊んで暮らす、平和な隠居生活を送っているのであった。
相場戦略研究所 http://www.geocities.co.jp/WallStreet/1289/