上海暴落


8月末 上海株が暴落し、堅調だった日本株も三空で下げた。9月2週の外人投資家は日本株を1兆円超 売り越したという。
中国当局は3000ポイント割れのところで、買い支えを行っているようである。
資金は無限にあるかもしれないから、下げ止まるかもしれないが、上海株は蛇の生殺し状態が続きそうではある。

中国企業は慢性的な生産過剰を輸出で凌いできたが上半期の輸入は14%減。
そろそろ限界か?

中国は今でも基本的に共産主義国家である。主要企業は国営で、銀行はすべて国有銀行である。主要企業を支配しているのは中国共産党政府の幹部であるから潰せない。
だから、国有銀行は融資を続けざるを得ない。市場原理が働かないからギリギリのところまで突き進むしかないだろう。

最近の金の使い方はド派手で、たしかリーマン ショックのときの公共投資資金が50兆円だったが、今回の上海株の暴落での対策資金は100兆円という。
費用対効果を考えると もったいない使い方 に見える。
先般の元切り下げ後、大規模な資金流出が起きると、10兆円の外準を取り崩して通貨防衛を行ったようである。

武者陵司氏の分析によれば、2013年から現在まで100兆円規模の資金逃避が起きているそうだ。

バブル崩壊後の日本が窮地に陥ったとき、欧米の銀行はジャパン プレミアムという割り増し金利を取った。
中国の資金的貧血が止まらなければ、チャイナ プレミアムという事態も起こりえるだろう。アジア投資銀行の盟主である中国がそうなれば、アジア投資銀行画餅に終わることになろう。

ともあれ、2億人の投資家が一人平均 一千万円損をしたという空前の暴落は起きてしまったのである。
火事や交通事故のように、そうなって初めてわかる、しかし、手おくれ 
なのです。
中国の明日はどっちだ?




  相場戦略研究所 http://www.geocities.co.jp/WallStreet/1289/