大引成行に限定した売買

 
大引値は取引所と証券会社の場勘定精算のための帖入値となる。

大引値は、寄付から大引までの4時間半の取引によって、その日の人気・材料を織り込んだ最終結果である。

ザラバで大きく上下に動いても、その日の取引の最重要な結論は大引値だといえよう。

中源線の折線グラフでは、終値が用いられるし、他の相場観測法でも終値が重視されるのである。酒田罫線法で重要な押し、戻りも大引で決まる。

225採用で出来高が多い銘柄は大引にまとまった注文が集まるから、突飛な値はつかないし、つけられないものである。

そうした銘柄は大引を成行で売買するのが合理的である。特に寄付よりも大引の商いが多い銘柄はなおさらである。

さらに、NYダウに連動する米国225先物の取引結果が、我が国の225銘柄の寄付に大きく影響するので、朝の寄付を成行で売買すると『夜離れ』に泣かされることが多い。
両外しサヤ取りを朝の寄付で行うと前日のサヤより不利な値で約定することが多いものである。

寄付は大引値を基準に板寄せされ±8円以内で寄付くことが多いが、
前日の終値と翌朝の寄付の誤差は積もると意外と大きいし、不利な値段の約定が続くと心理的悪影響がある。

『朝の寄付を成行』よりも『大引を成行』で売買した方が、より鋭い売買であるといえよう。

幸い、 『引け・成行』 という注文が可能なネット証券会社が増えてきている。

専業者でなくても、携帯で値を確認し、大引成行に限定して売買すれば、心理的に安定するのではないだろうか。



  相場戦略研究所 http://www.geocities.co.jp/WallStreet/1289/