『誰でも儲かる株式相場之研究』


久しぶりに、国立国会図書館ホームページ(近代デジタルライブラリー)を
キーワード「鞘取り」で検索していたら、『誰でも儲かる株式相場之研究』 致富研究社編輯部著 大正7発刊 275ページ という本を発見した。

戦前の古き良き時代の良心的な株取引入門書で、限月制だった定期取引の「鞘取り」のやり方のほか、「公然の秘密の仲買の収入」として、証券会社の呑み、向かいの手口が詳しく書かれている。
こうした呑み、向かいは現在の証券会社でも経営の基本として行われている。

驚くべきことに「証券会社の呑み、向かいの手口は相場入門者が知るべき常識」として紹介されているのである。

戦後の日本には林輝太郎先生の本を除き、
客筋のためのこうした良心的な本音を書いた本はなかったと思われるのである。
残念ながら、幼稚なミーハー本ばっかり・・・・

もう一つ、『定期取引売買の手段(相場の奥の手)』としてツナギ売り、逆ザヤを利用した高度なツナギのやり方が、記載されていて、こうした合理的考え方は現在の相場にも応用できそう?な感じがしている。

自宅にいながらにして、国立国会図書館が所蔵する明治・大正・昭和前期刊行の相場書を閲覧できるのはインターネット革命のおかげである。

*PDFで10コマずつダウンロードできます。(1コマは見開き1ページ)
 黒っぽいので、グレースケール印刷で色の濃度をマイナス36ぐらいで印刷すると読みやすかった。一応 全ページ ダウンロードして、興味があるところだけ印刷したら
A4用紙30枚ほどだった。

内容
誰でも儲かる株式相場之研究
標題 [3コマ]
目次 [7コマ]
序篇 [20コマ]
株式相場とはどんなものか 1 [20コマ]
第一篇 [24コマ]
第一章 株式会社と株券の話 8 [24コマ]
第二章 株式相場といふもの 31 [35コマ]
第三章 株式取引所(定期取引) 40 [40コマ]
第四章 株券の売買方(株式相場のやり方) 50 [45コマ]
第五章 相場は如何して生れるか 67 [53コマ]
第六章 直取引の話 80 [60コマ]
第七章 定期取引直取引売買註文の仕方 93 [66コマ]
第二篇 [71コマ]
第一章 定期取引 103 [71コマ]
第二章 相場の変動 113 [76コマ]
第三章 相場変動の原因(材料) 124 [82コマ]
第四章 相場変動の原因(人為的操相場) 138 [89コマ]
第五章 鞘取り売買 145 [92コマ]
第六章 定期取引売買の手段(相場の奥の手)一 153 [96コマ]
第七章 定期取引売買の手段(相場の奥の手)二 162 [101コマ]
第三篇 [105コマ]
第一章 所謂株屋仲買人の事 170 [105コマ]
第二章 仲買店の組織 181 [110コマ]
第三章 仲買に対する心得 一 194 [117コマ]
第四章 仲買に対する心得 二 203 [121コマ]
第五章 公然の秘密の仲買の収入 一 210 [125コマ]
第六章 公然の秘密の仲買の収入 二 221 [130コマ]
終篇 [133コマ]
必勝の方法と注意 227 [133コマ]
附録篇 [139コマ]
一 株式用語解 238 [139コマ]
二 主要なる諸会社明細表 262 [151コマ]
三 有価証券利廻早見表 266 [153コマ]
四 日歩年利換算表 272 [156コマ]
五 年利日歩換算表 274 [157コマ]
六 鞘取利廻表 275 [157コマ]


  相場戦略研究所 http://www.geocities.co.jp/WallStreet/1289/