風林嘉山(坂本嘉山) 対談


⇒相場の極意を教えていただけますか?
見てみな、これ。 完全な売りだよ。 ここでも売りになってるけど。
相場ってのはね、とにかく「儲けさせない仕組み」ってのをやるんだよ。
なにも、ここで下がっちゃえばいいのにさ、なぜか、
もう一回買わせるんだよ。もう一回買わせて、もう一回売らせて、もう一回買わせて、
そして、だん!だん!だん! と下がって行くわけだ。
こういう理屈を覚えると・・・いいんだよ。

1勝5敗でも勝てるような戦略、資金配分を考えるべきだ。
相場は負けも含めて相場だから、全部を勝つことは出来ない。
私も損をする場合も多いが、5回負けても1回の勝利の方が大きいんだ。
それが相場の基本だよ。1回大きく取ればいいんだ。
おかしいな?と思ったら、すぐに謝る。損切りしちゃえばいいんだ。
曲がった相場は、せいぜい200、300枚くらいしかないから、損は大した事は無い。
でも、みんな損を嫌がる。大体、ちょこちょこ儲けても1回大損すれば、利益なんて全部飛んじゃうものなんだ。10回勝っても、1回大敗すればヤラレになる。
だから、当った相場、これはと思った相場は、徹底的に攻める。利乗せで、どんどん枚数を増やして行くから、結果的に利益は大きいんだ。
利乗せの出来ない相場なんて儲からない。儲かったつもりになるだけだ。
それじゃ、本当の儲けにはならないし、逆張り相場なんて遊びだよ。
どんどん利乗せの出来る相場を見つける。これが大事なんだよ。

⇒株について
株はやるよ。もう30年くらいはやってる。ほぼ商品と同じ感覚だね。これは儲かってるよ。商品よりも簡単だ。株は基本的に3年~4年程度のサイクルで、ずっと持つよ。
ただ銘柄が多いし、何を買うか、売るかが難しいね。
それとやはり銘柄ごとのサイクルって言うのがあるから、どこでどう入れ替えるか。
まぁ、新聞読んだり、雑誌見たりして、これがいいかなって思ったら、次にチャートを見て決めるわけだ。
しかし、株も商品と一緒だね。利が乗って利食いしたものは、後で見るともっと上がってるね(笑)。
もちろん、売りはするよ。株はバブルの弾けた後に、売りで大儲けしたよ。それが株で儲けた一番かな。
⇒最近はネット売買のデイトレードで大儲けした個人投資家の話なんかも聞きますが。
 それはそれで遊びなら良いと思う。ただし本当に儲けるのは、そんな張り方じゃダメだと思うよ。実際、私などは長期トレンドを見る方法で儲けて来たわけだし・・・
まぁどんな方法でも、実際に儲ける人はいるだろうよ。
ただ統計では、アメリカなんかでも、ほとんどの人がデイトレで損してるんでしょ。
カンが鋭い人は良いだろうけど。本当に長続きする儲けにはならないんじゃないかな?それにね、コンピュータ画面の前に張り付いて儲けても、一体それ以外の時は、何の楽しみがあるんだい?長期トレンドの張り方だと、ゴルフ行ったり、海外旅行したりとか、ゆっくり楽しむ時間もあるよ(笑)
お金は儲けるだけじゃなく、使わないと何のための人生かわかんないでしょ?
だから、相場は勝たなくちゃダメ。
でも勝ち方がある。ギャンブルじゃない株の手口があるよ。当然、ちゃんとした認識を持ってやればね。チャートを見て、相場のクセを覚えないと。
その点では、商品は、銘柄が少ないから、絞りやすいよ。

⇒儲けるきっかけは
そんな簡単には稼げない。相場の高い安いは、共通するようで共通しないから。
それでも、やっているうちに長い波動がわかってきた。相場の波動は1週間や10日で終わるもんじゃない。値段が出たから、利食って終わりってわけには行かないわけだよ。
やっぱり、相場で儲けるには売買を継続する必要がある。大きな波動で見たら、買い相場が1年間も、1年半も、続くわけだ。なるほどなってね。
それは、1ヶ月や2ヶ月で、急に物が供給過剰になるわけじゃなく、年月をかけて値段で解消していく、ということがある程度わかってきたわけ。あぁ、そうか とわかった。
もちろん相場には上げ相場もあり、下げ相場もあるわけだけど、
結局、底を付けたものは上がる、天井を付けたものは下がるわけだ。

商社は日本に物を輸入して持ってくる。逆はないから、常にヘッジ売りポジションが基本なわけだ。上がっていれば売り、下がっていても売り。
当然そうでしょ?、保険なのだから・・・。商社は海外では買っているのだから、上がっても損はない。持っている現物も上がるしね。
一般の人はほとんどが買いで入って来る。上げ相場なら乗せ乗せで儲かりながら買い進むが、下げ相場なら我慢する人が多い。
そういう動きの中で、相場は定期的に底を打ったり、天井を打ったりするわけだから、
下げ相場になった時はやっぱり、商社も売り、一般も投売り、そして我々も売り
だから、買う人がいなくなっちゃうから暴落は早いわけだ。
⇒確かにそうですね。どんなチャートを見ても、天井3日底100日と言われるとおり、そんな格好ですからね。
そうなんだ。相場はすべてサイクルがあるから、何年間か上がる時期、逆に何年も下がる時期、それから底値で何年間も揉み合う時期などがあるわけだ。だから前も話したと思うけど、ともかく商品のくせ、どのくらいのサイクルで上がり下がりするかを研究しなきゃいけない。

⇒私のように儲かるか?
そりゃ難しいかもな(笑)。だって値洗いで5000万あったらみんな利食いたいでしょ?それじゃダメなんだな。
5000万の値洗いは1億になるんだよ。手のひらいっぱいに利益が溜まる。それから伸びて爪の先まで行った分は、それこそ無くても同じだと割り切る事が出来れば、利はどんどん伸びる。そう考えられたら儲かるかもしれない。

相場って言うのは売りか買いしかないでしょ。確率は5割あるわけだ。
その見極めは、結局突き詰めて行くと 勘 だな。
結局、相場はやってみないと判らない。テクニカルで儲かるのだったら、誰もが儲かってる。
才能? まあ度胸だな。損するのも相場、謝るのも相場。
何度か負けたとしても、1勝で勝てなきゃダメ。読みどおりに来た相場は、徹底的に攻めなきゃダメ。最後は必ず儲かるという信念を持っていなきゃダメなんだ。

⇒禅問答みたいですね。言うは易し、行なうは難しでなかなか出来ないと思いますが・・・(笑)
そうかな・・・自分で相場のシナリオを考えておいて、読みどおりに来たならば、出動すればいいんだよ。そして建玉してからは勘。 チャートばかりじゃ無いんだよ。
だから、あまり難しく考えちゃダメなんだ。何か極秘のテクニックがあって、それで必ず儲かるのならば、頭のいい人、例えば経済評論家なんかの先生がみんな大金持ちになっちゃうじゃない・・・(笑)。
そういう事じゃなく、相場がもう老境なのか?まだこれからなのか?
今、相場は天井を打っての下げ過程なのか?
底を打っての上昇過程なのか?その見極めが大事だ。
⇒目先の相場の材料には、振り回されたらダメという事ですね。
そう、材料って言うのは目先だから。毎日、そりゃ高いだ、安いだと理屈を付けるのが商売の人もいるわけだけど、本当に大きな需給関係がすぐに変わるわけ無いでしょ?とにかく相場の材料っていうのは、高い理屈、安い理屈、何でも付けられるんだ。
ともかく相場って言うのは、長い目で考えなくっちゃいけない。上げも下げもスパンは1年とか、1年半とか、2年とかあるわけだ。その方向性っていうのは、そうそう簡単に変わるもんじゃない。
例えば金だって、数年間ずっと上がってるでしょ。だからそういうのを見つけたら、
ずっと買って期近まで買いっぱなしで廻せばいい。
だから私は一代足の信者だし、徹底して玉を溜めて廻すわけだ。底値っていうのは、大体幾ら物が余っていても採算という辺りで止まるでしょ。それで底練りして、日柄を掛けて安い限月が生まれてくるでしょ。、そこからまた新たな相場のスタートが始まるわけだ。

⇒相場会社設立
30才の時、相場はビジネスになるとの確信ができた。その時に相場会社を持った。儲かる人のところには、必ず税務署が来てたから。30の時は資本金1000万円で会社を持った。

⇒年間どのくらい儲かったのですか? どのくらい税金で取られるものですか?
20億くらい、ってところじゃない? 当時は半分持ってかれた。その前に経費は落ちるけど、予納金だなんだって、手元にはたいして残らなかったな。
そして、資産が大きくなってくると、税理士が、「もうこれは私の手には負えない。もっと大きな税理士事務所に行って下さい」と言うんだ。
やっぱり、不安もあったね。でもその時は、相場に対する自信があった。絶対儲かる!との自信が。だから会社を作ったわけだ。今から考えると早かったね。
その当時は会社を持って、相場を張る、なんて言う営業マンはいなかったね。
給料なんかでも凄かったもの。常に高額所得者に必ず載っていたもの。


☆原本のURL⇒商品先物市場において100億円を稼いだ男
http://www.central-shoji.co.jp/furinkazan/




  相場戦略研究所 http://www.geocities.co.jp/WallStreet/1289/