親孝行



昨日、デートから帰って一息ついていると、82歳になる母親が

「お前―、私、ピザが食べたいんだけど、どこかから取り寄せてくれないかねぇー。」と言う。
死に物狂いのデートの後で、疲れていたので

「うるせぇーなー、そんなもん自分で買ってこいよ!」
と言ってしまった。
その時、母が少し寂しそうな顔をしたのを俺は見落とさなかった。

最近は、彼女とのデートが毎日続き、家で ほとんど食事をしなくなったので、母は不安げな表情をしていたのである。

風呂に入りながら、バカ息子は考えた。
「行きずりの赤の他人の彼女には、喜んで高価な食事をさせるのに、
実の母親に、ピザすら食べさせない というのは、親不孝の極みではないか。
もし、母親が急死でもしたら、
ああ、あの時、ママが 「ピザを食べたい!」 と言っていたのに、俺は食べさせてやらなかった。と泣く羽目になるなぁー。」

で、風呂から上がってすぐ、
「母さん、明日ピザ食べに行こう。近所のガストで焼き立てを食べればいいよ。」
「あら、どういう風の吹き回しかねぇー」と嬉しそうにいうので、

「ピザ食わさないで母さん、死んじまったら、一生後悔するからねぇー」
と照れ隠ししておいた。

で、今日11時過ぎ、家から2分のガストに母を連れて行って、ミックス・ピザ、シーザー・サラダ、チキンライス、鳥のから揚げ、ドリンクバー、生ビール等を注文して二人で食べた。
母と外食するのは10年ぶりかなぁー。
「母さん、食事作るの面倒くさい時は、またここで食事しようね!」

生ビール2杯も飲んで、母親のうれしそうな顔を見て安心したせいか、
大引けまで、いい気持ちで昼寝してしまった平和な一日だった。




*無礼なコメントは予告なく削除します(笑)
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