大立身

大立身は急がず 時を待つを心とし 
己の分限相応 気の痛みにならぬよう 心掛くべし (商家秘録)

この言葉、額にいれて事務所と寝室にかけてあります。
相場に接しているとどうしても、儲けよう、もっと沢山とろうと焦るし、
自分の資力、能力以上の玉を建ててしまいます。

そんなとき、えてして逆行し、損を出すと自己嫌悪に陥る悪循環。
そんなことが続くと不眠症、ノイローゼになったりします。

相場に意志やトレンドなど無く、買う奴と売る奴の大小で上下しているにすぎず、
そんな相場にまともに向き合っていたら、身が持ちません。

しかし相場師ですから、なにがしかの建玉がないと暮らしていけない。
結局、自分に有利なサヤ取りで、リスクを限定し“小さく”内輪に張る。
そして、手仕舞いするまでの損益に気を奪われてはいけないのでしょう。

林輝太郎先生は200円ぐらいで日本製鋼所を10枚ぐらい買って、千円になるまで何年か維持し、先日千円超で売却しました。
相場師とは、かくありたいものです。