取引所に積んだ金

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大相場師、山崎種二は相場で損しても、取引所に一時的に金を積んだと思って気にしないようにしたという。積み立てた金は、いつか下ろすことができるからだ。

俺の家系は相場でひどい目に合っている。
曾じいちゃんは大地主だったが、大規模な小豆のカラ売りに失敗して、玉を始末できなくなって夜逃げしてしまった。当然、家は人手に渡った。

親父は、クボタ株を信用買いして大損。そのため一家離散の憂き目に会った。
家族だった俺と弟、お袋が苦労したことは言うまでもない。

親父は破産した直後、母親に死なれ、続いて妻が家出。その時、俺と弟は母に置き去りにされた。
4年後、俺と弟は親父を捨てて母親の元に家出した。
妻子に逃げられ、一人になった親父は晩年、生活保護を受け、市の施設で一人寂しく死んだという。こういう話はよくある。

そうした三代にわたって大損した金は、山崎種二が言うように取引所に積まれていたようで、一部ではあるが俺達の手元に帰ってきている。

親父の株の不始末で苦労したお袋は、幸運にも息子が相場で多少成功したため取引所に積んだ金の還付を受けている。

相場専業ではないが、実弟も株で着実に儲けていて、株のキャリアは35年。
「兄貴に教えてもらった銘柄で儲けたから、おかげさまで資産三倍増計画の達成は間近だ!」と豪語している。
いわば、コバンザメ投資法で、自分では月足グラフを一枚も描かず、俺が見つけた有望な低位株を聞いて儲けている。
ただ、感心に場帖だけはつけていて、林輝太郎先生の「定本酒田罫線法」で勉強して、“新値12本で売り”を方針にしているようだ。
銘柄を聞いても技術がなければ取れないからセミプロ級の腕前だと思う。

彼は結婚資金もジャパンライン株で儲けて作った。若い頃から低位株投資の素質があったのかな。
でも、やはり彼も祖先が取引所に積んだ金の払い戻しを受けているのだろう。



*無礼なコメントは予告なく削除します(笑)
相場戦略研究所 http://www.geocities.co.jp/WallStreet/1289/