利殖の要件

林輝太郎先生の「サヤ取り利殖」によれば、利殖の要件を
1.元本が安全なこと
2.利殖が確実なこと
3.利益の有利なこと
としています。さらにサヤ取りを次のように定義しています。
「サヤ取り売買とは、利殖の目的をもって、時間的、地域的相違によって相場の値開きを取得するための売買をいう。」

この林輝太郎先生のサヤ取りの薦めに感動した私は600万円の資金でサヤ取りのプロになろうとして、小豆の限月間サヤ取りを4年間やりました。
しかし、小資金で利益の絶対額が少ないため、小豆の限月間サヤ取りでプロになるのを断念しました。
で、株に戻って製紙のサヤ取りで資金をつくり、その資金でFAI銘柄をまとめて買いました。
その結果、ある程度大きくなり、相場専業で食べていけるようになったのです。
今年、上げ相場が止まってしまい、昨年までのように買いの片張りで利益を出すのが困難になりましたので、
株のサヤ取りでしのごうとしたのですが、うまくいきませんでした。

株の値動きをサヤ取りの観点から見ると、意外性がありすぎます。
もちろん、それが株の最大の魅力なのですが、冒頭に上げた利殖の3要件には適合しないのです。
たとえば北越製紙。600円からTOB騒ぎで900円まで跳ね上がりました。そしてカラ売り禁止。
三菱証券三菱銀行の完全子会社化とかで上場廃止。「ふざけんじゃねぇ!」てなもんです(笑)
こりゃーもうだめだ。株のサヤ取りはもう止めよう。
サヤ取りの片方が消滅したら、元本は大きく毀損します。
株で大きくしてもらったのだから、もう、あまり欲張らずに、
これからは商品相場のサヤ取りを仕事・利殖として、堅くやっていくことにしたのです。