老相場師、勝負せず


歳を取るにしたがって、相場で損をしやすくなってくる。
岡部寛之氏は、『大儲けの極意』に、こう書いている。
 「定石を体得し、実践で鍛えられた相場師が、なぜ敗北したのか。
これは5、60歳を越しても、なお相場の世界に足を突っ込んでいたからだ。
老いたアルピニストが、いつまでも若い者と同じように山に登り続ければ、いつかは遭難する。 
 相場もそうだ。年をとれば判断力、決断力、自己制御力が鈍り、アクセルもブレーキも効かなくなる。このような状態で、壮年期と同じ姿勢で勝負に出れば敗北するのはむしろ当然のことだ。」

岡部寛之さんは50、60歳になったら、引退しろ。 と言っているのである。
引退しないなら、歳相応の売買に切り替える。そうしなければ、いつか遭難することになる。

岡部寛之さんの、『大儲けの極意』は2006年に復刻され、そのころ買った。
現在は絶版になっているようだ。

「相場適齢期は40代まで」などと、加齢による相場の危険性を繰り返し指摘している貴重な本である。
こうした記述は林輝太郎先生の本にもない。

2008年9月8日 『相場師 引退』という文章をこのブログに書いたが、それ以来、「年をとればアクセルもブレーキも効かなくなる。」という岡部さんの諌めを座右の銘にして、相場を張ってきた。おかげで、いまだに遭難しないで済んでいる。

老相場師、勝負せず。
 これからも大きな勝負を避けることで、盛者必衰原理の徹底している相場世界で生き残っていくつもりである。



  相場戦略研究所 http://www.geocities.co.jp/WallStreet/1289/