商家秘録 その6


十 相場発会前に方針を立てておくべき事
五節句後の相場発会から売買を仕掛けようと思えば、まず、その前日までに 相場の大手 有力者の動向、その他の要因を聞き調べて思惑を立てておくべきである。

発会後は値動きが荒いから、その値動きに心を奪われてしまい、すぐに方針を定めることができないものである。
小枚数であっても、慌てて仕掛けた時、その小さな建玉に執着してしまい、大損になることがある。
予め、売りか買いかの方針を定めておき、売買を仕掛けるべきである。

(十一 十二 省略)

十三 一日の高安の見積もり方
米が一匁も上がった日は同日中に下げることはないものである。
その訳はその日に買付けた玉は利が乗っているから、買い手の勢いが強く、その日は下がらない。下げた日も同様で米が一匁も下がった日は上げることはない。

しかし、六分までの高下は このかぎりではなく、どのように変動するか定まることはない。

大引による翌日の高安の見込み
寄付から大引けまで、だんだん安くなり、大引けが安値引けになれば、翌日もますます安値がでるものである。
また、大引けに二三分でも戻した時は、だいたい下げ止まりである。
上げの場合も同じである。





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